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朝鮮民主主義人民共和国 労働党機関紙  労働新聞 2008年2月11日付

http://www.kcna.co.jp/index-k.htm(2月12日朝鮮通信・上から6段目をクリック)

       

      

 

《歴史が長い交響楽団たち》一ニューヨークフィルも紹介

 

 

 

(ピョンヤン2月11日発朝鮮中央通信)11日付<労働新聞>に載せられた個人筆名の文《歴史が長い交響楽団》の全文は次の通り。

 

 

今日世界では、古い歴史と伝統を誇る交響楽団が少なくない。その中の一部を紹介する。

 

 

オーストリアの《ウイーン交響楽団》

 

 

オーストリアの《ウイーン交響楽団》は、オーストリアの首都ウイーンに定着している。

 

《ウイーン交響楽団》は世界的に古い歴史を秘めた交響楽団として1842年にその前身が創立された。

ウイーンは、ハイドン、モーツアルト、ベートウベンによって開拓され、継承完成された。ウイーン古典主義音楽の生まれた土地として、呼ばれている。

《ウイーン交響楽団》は、古典音楽を往時の姿のまま演奏するのが特徴だ。

楽器も、当時の時代感を生かす為に、昔の楽器を使用しているのがこの楽団の重要な特徴となる。楽団はワルツ王として呼ばれるヨハン・シュトラウス二世のワルツを初めとするウイーンワルツの本色を生かして演奏する事を特長としている。

現在、《ウイーン交響楽団》は、常任首席指揮者制度がない特殊な運営方式を選んでいる。

 

 

米国《ニューヨーク交響楽団》

 

 

米国の《ニューヨーク交響楽団》は、1842年に組織された。

 

1893年に、当時ニューヨークの或る一つの音楽学校の校長として仕事をしていた、チェコの作曲家ドボルザークが作曲した交響曲、第9番《新世界より》を世界で始めて演奏したことは、この交響楽団の誇りとなっている。

 

1900年代に入って、オーストリアの作曲家であり指揮者であるマーラーと、指揮者ストコフスキーが、常任指揮者に任命された後、楽団の水準は急激に上がった。

 

イタリアの名指揮者トスカニーニ、米国のバースタインが楽団の常任指揮者として携わることもあった。

 

《ニューヨーク交響楽団》は、ウイーン古典主義音楽以前の時期の音楽から、ロマン派時期の音楽、現代音楽にかけて、それぞれ一時期の多様な音楽作品を演奏形式している。

 

米国《ニューヨーク交響楽団》は、世界のいろんな国の都市に対する巡回公演をおこなった。2002年から今日までローリン・マージェルがこの楽団の常任指揮者として携わっている。

 

ドイツ《ベルリン交響楽団》

 

 

ドイツ《ベルリン交響楽団》は、1882年に組織された。

 

この交響楽団の初代常任指揮者は、最初の職業音楽指揮者であるハンス・フォン・ブローだった。

当時招聘指揮者らの中で、注目を引いた人は、ドイツの作曲家であり指揮者であるリヒヤルト・シュトラウスと、オーストリアのマーラーであったしロシアの作曲家チャイコフスキーも招愕された事もある。

 

当時、楽団の演奏曲目は、主にドイツの古典音楽だった。

 

有名な指揮者であるドイツのニッキス、プルトベングラーとカラヤンもこの交響楽団の名声を轟かせるのに寄与した。(終)   (訳 柴野貞夫)

 

 

解説

 

“2007年1月11日に、米朝協議の進展を象徴する出来事として、ニューヨークフイル交響楽団のピョンヤン公演が2008年2月26日、行われることが正式に発表された。メータ会長と北朝鮮の朴吉淵国連大使が同席し、大使は、「両国の音楽家及び国民同士の友好と、最終的には二国間関係の促進に貢献することは間違いない」と述べた。冷戦期米国のオーケストラ公演は、ソ連・中国との雪解けを演出してきたが、今回米国国歌も演奏するという。”(2007年12月12日付時事ドットコム)

 

更に、2008年1月25日付時事は“公演は、韓国MBCと提携し国際生放送をすると、ニューヨークフイル側が発表した。公演場所は、東平壌大劇場で、米北両国国歌、ガーシュウィンの「パリのアメリカ人」、ドボルザークの「新世界より」などが予定されている。”と報じている。

 

今年に入って北朝鮮と米国の六か協議における各国の履行義務を巡る確執と、米国内のネオコンの巻き返しのなかで、両国の外交的調整は、結論が出ていないものの、この2月11日付労働新聞の『ニューヨークフイル』に関する個人署名記事は、ひとつの方向を象徴するものである。